七章
モロク軍は苦戦していた、突如突破された西門より雪崩れこむ魔軍の兵士
なんとか中央に配備されたモロク軍兵士で善戦しているがあとからあとから沸いて来る魔軍の兵力に徐々に押されていた
その時、一筋の閃光が魔軍に向かって放たれた
試作段階 究極対殲滅用兵器 ヴェルティア
魔術師数十人分の全魔力を結集して放つこの一撃によって密集していた魔軍中央部に大穴を空けた
およそ60万ほどの魔物が一瞬にしてなぎ払われた・・・・・が
小さい火花がヴェルティアより上がり始めそれは瞬く間に小さな爆発となり大爆発を引き起こした
それによって発生した閃光と爆風・衝撃でモロクはその4割程を焦土と化してしまった
また、幸か不幸かその爆発に南門側に密集していた魔軍前衛集団の3割を消滅させた
そして・・・・・モロク軍2万あまりも巻き込んだ
「報告!南より集結中だった兵約2万が消滅!」
「伝令!西より襲撃していた魔軍が再攻勢にはいっています、突破されるも時間の問題です!」
「報告!ヴェルティア消滅に伴い南門の城壁・城門も消滅 敵軍が雪崩込んできています!」
次々と報告される悪い事にグラエスは・・・・・・・・・・
「西側に全兵力を集中させ突破させろ!モロクに仕掛けた全てのトラップを起動状態にし全ての兵は西に集結!」
「「「「了解!」」」」
グラエスの指揮ぶりはまさに【さすが】の一言である
「くそ!ヴェルティアが爆発しやがった!しかし、これもまた好機!・・・・・・・全員抜刀!突撃!!!!!!!」
そう叫びながら朱狼は愛用の剣を鞘より抜き魔軍の兵士たちに向かって斬りかかった
後に続く傭兵団部隊も同様に斬りかかっている
魔軍も爆発の影響で場を混乱させたが朱狼たちが攻撃してきたことをうけ、すぐに多少残っている冷静さを取り戻し己の武器を持ち迎え撃ちはじめた
『ぐぁ!』
「ギャァーー」
『グッ!!!』
「キーーーーー!」
人・魔物の悲鳴や叫びが辺りに響き渡る
まさに修羅地獄・・・・・・この世の悪夢と言える
「はぁはぁ・・・・きつい・・・だが、負けられぬ!!」
朱狼は負けられない理由がある・・・・だから、剣を強く握りなおし次々と敵を葬っていく。
「華さん!準備完了!」
「うん、フェイスクの攻撃準備!目標は前方魔軍!!」
フェイスクと呼ばれたのは傭兵団が密かに用意していた実用段階まじかの兵器である
その兵器は縦に4メートル・横に3メートル高さ5メートル 主に木で製作されたこの兵器は前面に付けられた穴より何十発もの属性矢が放たれる仕組みなのだ
ただ、問題点はそれを使用するには 3つの条件がある 1つそれの動力となる魔法使い 2つ標準を定める狩人 3つ移動させる兵20名であるかなり大掛かりな仕掛けだ
現在フェイスクは傭兵団の前10メートルほど前に横一列に10機設置されている
「うてぇ!」
華参謀長の合図でフェイスクより数百発もの銀矢が放たれた 10機全てで毎分20000発
銀矢を受け魔軍兵は次々と倒れているがいかんせん数が多い徐々にフェイスクに近づきつつあった。
「魔術師隊!狩人隊!構え!・・・・・・・放て!」
様々な魔術・無数の鋭利な矢が魔軍に向かって放たれ多くの魔軍兵が犠牲となり死んだ
「前衛部隊!フェイスクを中心に防御態勢、敵から後衛部隊を守れ!!!」
華の命令が矢継ぎ早に飛ぶ、兵士たちもまたそれに答えるかのようにすぐに動き始める。
「華さん!フェイスクがもうすぐ弾切れ!」
優がすぐさま集めた報告を手短に且分かり易く報告してくる
その報告を受けた華は苦しいのであろう・・・顔をゆがめた
「あれか、全員抜刀!」
フォンロンは遂に敵本営を発見した
本営の周りにはおよそ数百の魔軍兵しかおらずフォンロンの敵ではなかった
オークなど中級モンスターが一度に襲ってきたがそれには目もくれずフォンロンと仲間たちは敵司令官を探した
中央に行ったところにテントがあった
すぐさまそのテントの横布を斬って入り込んだ・・・・そこには・・・・
『来たか・・・・・』
そこに鎮座していたのは・・・・愛馬黒馬より降りた深淵の騎士であった
つづく
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