二章








モロク南西に位置するオアシス


そこには大勢の冒険者たちが集まっていた、その冒険者たちは皆、形こそ違えど右手首に小さな腕輪をしていた
腕輪には一つの紅い色の石が埋め込まれておりその石には狼の顔を模った紋章が彫られていた。

その紋章は ミッドガルド傭兵団の紋章である

その規模は1万とも10万とも言われミッドガルド王国のもう一つの騎士団とも言える

「おいおい・・・ありゃー傭兵団の連中じゃねーか」

俺の隣にいた別ギルドのマスターがそう問いかけてきた

「そうだよ、ここにいる連中とともにモロクの援護にいくのさ」

「しかし、俺たちが行ってもいいのか?あいつ等は傭兵団以外の連中とつるまないはずだぜ?」


その通り
傭兵団は国王より独自の権限を与えられており王国に害を及ぼさなければ大体のことは許可されている
騎士団と傭兵団の違いは指揮者の違いである
騎士団の総指揮者は国王であるが傭兵団は傭兵団のトップこれがなにを意味するか
国王がいくら傭兵団にどこかに行けと行っても傭兵団の長が首を縦に振らなければ意味がないのだ

修正 話を戻そう

「ま、その辺は大丈夫だよ 全員を馬車から降ろしてくれ。ここからは馬車は邪魔でしかない」

「了解、すぐやる」

別ギルドマスターは頷きその場を去った


「フォンロン?」

後ろから町が尋ねて来た

「ん?」

「どうするの?」

町の後ろには俺の仲間たちがいた、皆俺の答えを聞こうと静かにこちらを見ている

「まずは傭兵団のトップと話すさ」

「たしか・・・朱狼さんだったかな?」

「そ、そして俺の弟さ」

爆弾を投下した( ̄ー ̄)ニヤリッ

「「「「「「「「「「ええ〜!?」」」」」」」」」」


「〜―γ( ̄ο ̄)oΟ◯」

俺は煙草を取り出して火を灯した

「ちょっとそれどういうこと?!」

「マスターに弟さんなんていたの?!」

「私にも紹介して〜!」

一部違う気もするが

「あぁ血は繋がってないぞ、兄弟の契りをかわしただけさ」

それ以上は言わずフォンロンは歩いて傭兵団の中に入っていった

傭兵団の人員の職は様々

皆、腕はたち中には有名な人物もかなりいる

「あれか」

フォンロンは傭兵団の本営らしきテントを見つけ人を避けながら進む 仲間たちは人ごみに揉まれなかなか前に進めないでいるがフォンロンはあえて放置?






「今の人員の集合状態は?」

「モロク周辺にいる傭兵団 25万のうち7万ほどが集まりました」

「ふむ、物資のほうは?」

「長期戦を想定して3ヶ月分 30万の人員が飢えない分です」

「完璧だ、部隊編成のほうは?」

「急ごしらえなんで苦戦しておりますが・・・現在3個大隊分の編成を完了、編成が終了した部隊はすべて戦闘準備は出来ています」

「よし、5個大隊完成したら随時割り振った場所に向けて出発させて・・・それからあれの用意もしておいてね」

「了解ただちに」

兵一人が頷き敬礼したあとテントから出て行った


「相変わらず忙しいこって」

その様子を見ていたフォンロンは呟いた

「よう兄貴、着いたか」

テントの奥にいた人物がフォンロンを兄貴と呼びこちらに歩いてきた

「久しぶりだな、朱狼・・・・2年ぶりか?」

「そういやそうだな・・・第四次プロンテラ攻防戦以来だから・・・・・・・・・・・・そんぐらいか」

「強くなったみたいだな」

「兄貴も・・・な!」

そう言ってお互い武器を瞬時に取り出し衝突した

フォンロンは短剣を

朱狼は両手剣を

二人の刃が擦れる度に火花が飛び散り周囲の人間はそれを少し離れて見ていた

近づけないのだ

二人の闘志に

二人の勇姿に


二人の狂気に






「ふっ・・・」

「ふふ・・・」


「「あっはっはっはっは!!」」

二人は突然笑い出すと同時に武器を収めた

「相変わらず強いな、兄貴は」

「お前こそ、腕を上げたな」

二人は肩を組みながら笑いあった

周りの人間はわけがわからず困惑顔


「で、準備のほうは?」

「あぁ・・・3割ってところかな、急だったのと半数くらいがまだ動かすわけにはいかない状況だから無理だ」

「ふむ、なら俺らもそっちに加わるぜ?」

「あぁ大歓迎だ」

お互い握手をし

「これからよろしく」

「こちらこそ」




ここに歯車をまわす人物が二人揃った
















つづく