序章


















誰かが呼んでいる・・・・






俺を呼ぶのは誰だ?





俺を・・・・




その闇の先から呼ぶのは

















「ロン・・・・フォンロン?」


「寝てる?」


「みたい・・・・ね」


二人が俺に向かってなにか言っている・・・・


俺は眠気になんとか打ち克ち眼を明けた。

「・・・・ん?・・・町に・・・ルイか」

俺に呼びかけていたのは町とルイーネだった

俺は率直に言った

「どうした?」

その言葉を聞いて町とルイは見てわかるくらいにため息をついた。



「どうした?じゃないでしょう〜」

「これから私たちは討伐隊に加わるんでしょう?」



討伐隊・・・・・・ここ数年の魔物の異常増殖を続けており被害も深刻なものだ、現ミッドガルド王国には王国全土を守護するには騎士団では力不足だった、そこで考案されたのが【討伐軍】の設立
討伐軍はそのほとんどを冒険者によって構成されており、討伐部隊の構成はギルドと呼ばれる集団でメンバーの補充などはすべて、そのギルドのマスターたちの自己判断に任されている。
巨大なギルドともなればメンバーは100名を超える少ないギルドだと2〜3人 少ないところは一人だ。
だが忘れてはいけない、大事なのは量より質
雑魚が100匹集まろうと精鋭10人が集まれば倒せる
だが、例外も存在する

雑魚が1万匹と精鋭10人 雑魚のほうが強い それは何故か?この場合、質より量が強くなるからだ

修正、話を戻そう

現在の討伐軍の規模はおよそ50万  だが質はギルドによって様々である

そして対する魔物の軍勢は推定数百万以上 質より量と言える

現在、このミッドガルドは西部 ゲフェンを含むそのほとんどを魔物によって占領されている 北部は山岳部を中心に魔物と討伐軍とで睨み合いが続いている 東部は比較的安定しており 南部はモロクより南に数百キロの所でしばしば戦闘がおきている

俺たち討伐隊はまず首都に寄ったあと 討伐軍上層部の指令でモロク討伐隊に組み込まれることになっている

まぁ正直な所、面倒である

暑い・疲れる・面倒 三拍子揃っている。

話を戻すが現在、モロクに配備されている討伐軍はおよそ18万 ギルドの数は星の数ほど・・・・・


俺たちは現在モロクと首都の丁度中間くらいの場所で砂漠のど真ん中だ

数刻前、俺たちを含む第38増援部隊は魔物の待ち伏せ攻撃を受けた。

なんとか撃退することは出来たが 第38増援部隊 およそ2000名のうち1400名もこの戦闘で命を落とした。

俺たちのギルドは運良く軽傷者のみで済んだが他のギルドは凄惨なものだ

ギルドマスターが戦死したギルド・ギルドメンバーの過半数が戦死したギルド・全滅したギルド・・・・まさに地獄絵図だ

比較的被害が少ないギルドは俺たちのギルドを含め20足らず

現在はそのギルド10個部隊ほどで周辺の警備を行い、残りの10個部隊はけが人の治療と死者の弔いを行っていた



「で、現在の状況はどう?」

「敵の影はなし、先ほどが嘘のように静かです」

「ふむ・・・・あれは恐らく・・・・俺たち増援部隊の壊滅を主とした敵部隊だな」

それを聞いたうちの面子は静かに頷いた。

「ゆーりぃ、全部隊が移動できる状態になるまでどのくらい掛かりそうだ?」

「そうですね、あと2刻ほどでしょうか」

まったりとした口調ながら的確な判断の元、導き出された答えを言った。

「2刻か・・・・おそらく、今モロクはやばいだろうな」

「やばい?」


「奇襲を受けているだろう」

フォンロンの読みは正しかった。現在、砂漠都市モロクは魔物による大規模な奇襲を受けていた およそ数万
モロクに駐在していた討伐軍はおよそ8万、すぐさま城門を閉じ籠城の構えを取った

「やばいんじゃないの?」

「いや、モロク討伐軍の最高司令官はあの剣聖のグラエスは頭のキレるやつだ・・・簡単には負けない ただ・・・」

「ただ?」

「通常の奇襲以外なら・・・・負ける可能性が出てきる」

「通常以外?」

「・・・・・・陽動ということだ」

「やばいね、それだと」

「そうだな、増援部隊の司令に言ってあと一刻以内に移動できるように要請してくれ 駄目なら俺たちのギルドが行くと伝えてな」

「はい、わかりました」

そう答え、ゆーりぃは司令たちがいるテントに向かっていった

「動くかな?」

「おそらくは動かないだろう・・・無能な司令だしな」

「そう・・・」

「全員に重装を外して軽装を着用させておいてくれ、食料は3日分を携帯 回復剤は長期戦を想定して2回分」

「わかった」

ルイも頷き面子のもとへと去った


「狼・・・・」

町が俺を呼ぶ

「町・・・・下手をすれば沢山の討伐隊の面子が死ぬ・・・つらいが我慢してくれ」

町は首を横に振って

「私は狼に付いて行く、なにがあろうとどんなことになろうとも」

「ん・・・・・・」

「ん・・」

二人は軽い口付けをしたあと自分の装備のチェックを始めた。



















第5次プロンテラ攻防戦まで・・・・あと30日














続く